若手の頃、先輩のお客様や演奏家の言葉を理解出来ず「え、これ知らないの?」と言われて覚えた曲や映画は多い。
それが最近、私の言葉が若い方に理解されないことも増えて来たのは、時代の流れの必然性か。
昨日ブログに書いた「雨に唄えば」もそうだが、私の有名映画作品と言うのは「往年の」ばかりで、若い方が知らなくて当然だろう。
映画は知らなくてもスタンダードジャズとしての「酒とバラの日々」「いそしぎ」「ムーンリバー」「シェルブールの雨傘」などは、若手演奏家も譜面なく演奏可能だが、「慕情」「シャレード」「アズタイムゴーズバイ(カサブランカ)」などは譜面が必要になる。
この違いは、ジャズの器楽演奏や歌で多く録音されて、スタンダードとして記憶されるかどうか。
映画音楽として好きな、50年代名画「旅情」「めぐり逢い」「追想(アナスタシア)」などを知るお客様は高齢世代となり、演奏することもごく稀となった。
映画を思い出して夢心地になってくれることがないと、つい手控えてしまうからだが、演奏家としてお客様が知らなくても、「こんな良い曲があります」と発信することの大切さも思う今日この頃。