微妙ながら大きい

このところブログに書いている、映画音楽やブギウギ風、ディキシー風の曲などの演奏表現で、ジャズとの微妙な違い。

 

これまで、そういう曲もジャズと同様にコード進行のみで音符を記すことはなかったが、何曲か選んでベース音を指定した譜面を作っている。

 

このところ若手ベーシストとの共演が多いので譜面の必要を感じたわけだが、決して今の若手がということではない。

 

もう40年も前になるが、20代半ばにジャズコーラスグループとして共に活動したヴォーカルの亜樹山ロミさんに、「ピアニストによって『トゥーヤング』の伴奏があの雰囲気にならないことが多い。どう説明すれば良いのか」と聞かれたことがある。

 

"Too Young"はナット・キング・コールの1951年のヒット曲で、オーケストラ伴奏によるクラシカルな雰囲気の映画音楽風。

その雰囲気で伴奏してもらいたいが、ジャズっぽい伴奏に違和感を覚えながら歌うことが多い、どう説明すれば良いのか、ということ。

 

その表現を知らないなら仕方ないが、当時の先輩の中には知っていながら「ジャズっぽくした方が良いんだ」と、若手歌手の意思を無視されることもあったそうだ。

 

そんなことで昔からあること、今の若手云々ということでもない。

 

もっとも、私の子供時分はまだそういう音楽を巷で耳にすることはあったが、とりたてて自己表現として取り込まなければ、ジャズ演奏を習得したからと言って急に出来るものでもない。

 

微妙な違いは私にとって大きな違いだが、お客様にとっては実に微妙で、違和感を覚えながらの演奏でも凄く喜ばれることはままある。 

これまでは「ま、いいか」だったが、せっかくならきっちり表現したい。

 

9月ー10月スケジュール