とっぷりと日が暮れてタクシーは大通りを走行、左手の向こうにホテルが見えて来た。
中国は車が右側通行、中央分離帯がある幅の広い道路で横断歩道がなく、右側の地下鉄入口でタクシーを降りて地下道で反対側に出て少し歩けば戻れる。
にわかツアコンの一日も無事に終わろうとしていた。
私「あれがホテルだから右側の地下鉄入口で停めて。あとは歩くから」
運「あ、なんだ左側のあれか、それなら」この後が早口で聞き取れずにいると、地下鉄入口を通り過ぎた。
私「あっ、地下鉄の!」
運「大丈夫だ、心配するな」、いきなりハンドルを切って車道と歩道の中間の自転車レーンかなにかを走り、クラクションならして歩行者慌ててよける。
突然のカーアクションまがいに後ろ3人「え、なにっ、なにー!」、一気に緊張感マックス、私も「ど、どこに行くのー!」と言ったかどうか覚えていない。
運転手忙しくハンドル操作しながら「俺は生まれも育ちも北京だ、最近地方から来た運転手が多いけど、あいつらはこんな道は知らないんだ」
スリル満点などと言ってる場合じゃない、右折して狭い路地を曲がって短いトンネルを抜け、ぐるっぐるっとまわってシューっと・・・停車した。
何がどうなったか分からないが、ホテルの正面エントランスにいた。
運転手「着いたよ、どうだい」と、どや顔。
私「あ、ホテルだ。あなたすごい!」、料金を払い「お釣りは要らないよ」と言うと、運ちゃんにっこり笑顔で「アリヤトー!」と覚えたての日本語で去って行った。
北京べらんめえドライバーのスリルと人情、忘れられぬ濃~い思い出。
明日と明後日はブログお休みします。
8月8日(土)定例デュオライブ
四谷三丁目ダイヤモンドクラブ・特集・・・考え中