第二部のスタートはソロで「夜来香」弾き語り、熊倉さんを迎えて「里の秋」、若くても上がる風もなく全く普段通りで見事だった。
ここからが私にとっての山場、台本(台北ステージ4)通り。
「里の秋」は昔の日本の童謡で、「私は小学校で歌いましたが、熊倉さんは?」、「知りません」、「あぁ、彼女とは時代が違いますからねぇ・・・」お客様、くすくす笑い。
「私は今年59歳になりますけど、同年代の家内がテレビを見て、有名人の名前が思い出せない~~私も誰だっけ~~夫婦間で、あれ、これ。あれこれあれこれ」、皆さん笑う笑う、好きな落語のお陰で中国語でもジョーク受けた!
こんなに上手くいくとは、日本のお客様は意味不明で申し訳なかったが、山場を越えた、恐怖心も消えた。
アンコールは「何日君再来」(ホーリーチュンツァイライ)、親しい友人との惜別の歌を弾き語り、客席からも歌声でさすが本場と感激した。「ジャズよりもそっちかい」とつっこまれると返す言葉はないが。
ベース酒井一郎さん、ドラム八城邦義さん、クラリネット熊倉未佐子さん、素晴らしい演奏をしてくれた。終演後、市内の料理店で打ち上げ。
翌朝は酒井さん、熊倉さんと3人、電車で海辺リの観光地淡水に行ってみたが濃い霧で海がまるで見えず、散策してホテルに戻り、空港へ移動しエバー航空で帰国した。
コンサートの評価はどうだったのか、お客様は演奏と下手な中国語をどこまで楽しんでくれたのか、そんな思いで2週間ほど経ってSさんとお会いした。
「先日のコンサートはとても評判が良かった。第二弾を考えましょう」
この言葉でやっと安堵し、中国語でお世話になったお二人の先生に成功のご報告と感謝をお伝えした。
第二弾に大いに期待したが、その後Sさん体調を壊されて叶わず。
不思議なことに、公演決定と同時に通い始めたサークルも先生の個人的理由で解散となり、再燃した私の中国語趣味も終わってしまった。