冷たい4-驚きの地下鉄体験

2004年2月酷寒の北京、昨日ブログで地下鉄乗車中の物乞いや新聞売りとの遭遇を書いたが、それまで春や秋に来て幾度も地下鉄を利用して初めてのことに驚いた。

 

その翌日、地下鉄の座席が埋まっていて私は立っていた。

ある駅を発車すると突然ピーと笛の音、発車ホイッスルでない明らかに誰かが笛を演奏しているのだ。

車両奥から姿を現したのは横笛を構えた男性、大道芸か?

伝統音楽風のフレーズを吹きながら一歩一歩前に進み、笛を口元から離すと口上らしきことを述べだした。

その声がよく聴こえると思ったら、口元に小さなマイク、背中に小さな簡易スピーカーを背負い音響セット完備、カタコトレベルの私には意味不明。

私のそばに来て驚いた、男の後ろから小さな車輪付き板に中学生くらいの女の子が座り、手に持った棒で船をこぐようについて行く。

一見して足が不自由そうだが、周囲の乗客は静観、地下鉄は走る・・・。

 

現地の知人に聞くと流暢な日本語で、「あぁ、あれは、ああいうことを仕事にして夕方になると家に帰って普通に暮らしてるんです。春から秋は屋外で冬は氷点下になるから地下鉄で、当然、違法ですよ」

 

それから4年後、2008年2月のニュースを記憶している。

北京五輪に向けて地下鉄車内での自由活動が禁止され、自作曲ギター弾き語りをしていた青年は「表現の場がなくなるが決定に従う」と語った』と、真面目(?)な活動を報じていた。