芸事5-残響

ジャズピアノの師匠、横山憲二(後に弘勢と改名)さんは「演奏は常に頭を冷静にしてないとだめ」とおっしゃっていたが、駆け出しの私は演奏で盛り上がると熱くなり力任せに、同調してドラムも大きくなると更に。

録音して聴くと単に騒がしい音楽だと反省、師匠の言葉を徐々に実感実践していった。

 

2015年7月、北海道の菓子メーカー「六花亭」札幌本社オープニングレセプションで、北村英治さんとベース山口雄三さんのトリオで伺った。

自社ビル内のホールは221席、残響(音が壁などに反響して残る、カラオケのエコー効果)がやや多めで、楽器はマイク使用せず生で気分良く演奏出来た。

 

出演の翌日に「六花亭」さんのご好意で落語会にご招待いただいた。

柳屋小三治一門会、前座さんと柳屋三三(さんざ)師匠、そして小三治師匠。

前日ステージに立った私たちが客席から拍手、先ずは前座さん登場、元気一杯で大きな声だが細かい言葉が聞き取りにくく、残響のせいかと思った。

次に真打の三三(さんざ)師匠が高座に、前座さん比べと比べて声は小さいが全ての言葉が明瞭に聴こえる、真打の芸に感心した。

更に後の大看板、小三治師匠は長い枕(本題に入る前の噺)から引き込まれた。

終演後、小三治師匠と長年の親交ある北村さんにお供して楽屋を訪ねた。

左から、小三治師匠、北村英治さん、山口雄三さん、私、三三師匠。

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後年このホールにドラム入りカルテットで出演、終演後にお客様から「全ての楽器がバランス良く楽しめた」との感想を頂いて・・・と、仲間の芸を讃える手前味噌をお許しいただきたいが、ステージに立つ身では分からぬこと。