昨日、残響のことを書いたが、音は硬いものに反響して柔らかいものは吸収するので、雪が積もった街が静かなのもそのせい。
あるホテル宴会場でのリハーサルで、大きなスピーカーで出したドラムのタンと1発叩くと手を挙げるタイミングで反射音がタン、こだま現象。
ホテルの宴会場はかなり広かったがホールに比べると天井も低く、高い位置のステージから出した音が正面の壁にこだま、音の速度とリアルな反射音を実感した経験として記憶にある。本番でお客様が入ると吸収されて反射音もなくなった。
ホテルと違ってコンサートホールは天井も高く、残響なども考慮して設計されているので、そこまで顕著な反射音はないが、それでも残響はあるし、ないと都合が悪い。
残響がない状態を「デッド」と呼ぶが、演奏者にとってデッドは楽器の音が痩せて寂しく感じて辛い。
身近な例を挙げればカラオケルームで、室内はデッドだが歌は機械的にエコー(残響)を加味していて、あれがないとかなりしらけるだろう。
伝統的に西洋建築は石やガラスなど硬いものが使われて残響の多い環境だが、伝統的な日本家屋は木と紙と畳でデッドだ。
それと関連があるのかないのか、三味線や琴といった邦楽器が、音の頭に硬いエッジがある。
中国や韓国の伝統楽器も共通していて、東南アジアのガムランも打楽器中心、単純に西洋楽器と比べてアジア楽器に共通して硬さを感じる。