青山の夜 / 芸事10-不良音楽?

昨日、「俺のフレンチ・イタリアン青山」にソロ出演。

社員さんが「最近は遅い時間に混みます」とおっしゃる通り、夕方6時半のステージは空席もあり、ピアノも抑えめにほどよい響き。

8時台になって席が埋まるとピアノの音が全く違うのは、先日書いた残響音がなくなるからで演奏者にとってこのギャップは大きい。

それでもよく聴いて楽しんでくれるので気分良くノリも良く、盛況でノリが良いとそんなギャップも忘れてしまうのは、コロナ以前からのこと。

 

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芸事10-不良音楽?

テナーサックス奏者の芦田ヤスシさんは昭和4年生まれ、生きてらしたら北村英治さんと同じ年だった。

ジョーク好きだったが演奏家協会の役員も勤められたとても真面目な方で、ジャズ演奏家は品性と誇りを持って生きるべしという考えをお持ちだった。

昭和20年代~30年代、ジャズとその演奏家クラシック音楽より格下とされて、作曲家として有名になられた中村八大さんが、ジャズコンサートで訪れたホールに「スタンウエイ」と「国産ピアノ」があったが、クラシック以外スタンウエイの使用禁止と言われたそうだ。

芦田さんとしては日々芸事に精進する人にランク付けする社会への抵抗感があったようだ。

 

芦田さんは若い頃、石原裕次郎の映画「嵐を呼ぶ男」(1957年)のラストシーンにフルバンドの一員として出演された。

その話を伺っていたら芦田さん「あれがいけない」と、決して映画の批判ではなく大ヒットしたテーマソングの歌詞、♪おいらはドラマー、やくざなドラマー♪、「ジャズは不良的だというイメージが強くなった」と。

 

日本のジャズブームを象徴するような映画だが、既にロカビリーブームも始まっておりこの5年後、1962年、ビートルズのデビューを機にロック音楽へとブームは移行する。

そうなると・・・ここからは長くなるから、また明日。