本日は「銀座スイング」、私のリーダーライブ、久々に弾き語りたくさんでお送りします。
山口雄三B 八城邦義Dr ゲスト:細野義彦G、ベテラン名人メンバー。
まだ席に余裕あると思います、お越しください!
芸事22-先生
北村英治さんは昭和時代に毎朝テレビ生番組「モーニングショー」にレギュラー出演されていて、その中で新人歌手紹介コーナーがあった。
ディレクターと北村さんの評価が低いと1日限り、好いと翌日もその翌日も、新人歌手にとって朝の全国放送はとても貴重なことだったと思う。
新大阪駅で「北村先生!」と声をかけた歌手の角川博さんは、デビュ―当時そのコーナーに何日間かの出演を頂いたそうだ。
北村さん「俺は何もしてないんだけどね、律儀に恩を感じてくれてるんだよ。
あの頃はレコード会社の売り込みが凄くて出番待ちの新人歌手が何人もいたからね」
ジャズ界では尊敬する先輩でも名前に「さん」付けで、師弟関係でも修業時代は弟子が師匠を〇〇先生と呼んで、プロとしてキャリアを積むと〇〇さんになるのが普通だ。
ジャズライブやホテルラウンジでも店側は名前にさん付けで呼んだが、ホステスさんが接客するような店のソロ・ピアニストは何故か「先生」だった。
駆け出し時代22歳頃だった、休みの日に電話があって「ピアニストが怪我をしたので本日空いていたら来てくれないか」と駆け付けたのがそういう店で、ホステスさん「あら、お若い先生ね」。
こちらは芸能界の尊敬を込めた「先生」と違って、ホステスさん、ボーイさんと担当を呼び分ける単なる業界言葉。
若い頃に読んだ油井正一さんの「ジャズの歴史」によると、20世紀初頭にニューオリンズのサロンでラグタイムや初期のジャズを弾くソロピアニストも「先生」(Professor)と呼ばれたそうで、こちらも単に業界言葉的ニュアンスではなかったかと勝手な想像をしている。