クラシックにおけるバッハから現代までの変化が200年かかったのに比べて、ジャズは誕生から100年の間に様々新しいスタイルが出現し行く着くところまで行きついた感あり。
20世紀初頭、ジャズが世界に波及したのはレコードの普及と関連しているかと思う。
既に故人となられた知人は蓄音機とSP盤のコレクターで、貴重な「ロウ管レコード」を拝見したことがある。
19世紀末にエジソンが発明した最初のレコードということは聞いていたが、「ロウ」からロウソクを連想して私は全くどんな記録媒体か想像出来なかった。
実際、開発初期はロウ(英語WAX)の素材の硬度が問題だったようで、その後硬いセルロイドなどに改良されたらしい。
20世紀に入って円盤レコードが発明されロウ管と競合した結果、円盤のSPレコードが主流となった。
手に取って見ると、厚紙の筒に収められていてエジソンの写真が印刷されていて、本体は飲食店で提供されるおしぼりくらいの大きさ、聴くことは出来ず見ただけだったが、SP盤は蓄音機で聴かせてもらった。
知人「SPには人の耳に聞き取れない音も収録されているがCDはそこをカットしている、利便性に相反して音質は落ちているんですよ」
SPからLP、CDを経て、デジタル媒体で形を持たなくなった今も、子供時分のレコード盤の溝から多様な音楽が再生される不思議感は変わらない。