この往年映画ばかりブログでは珍しい昨年(2019年)公開された映画「アベンジャーズ・エンドゲーム」。
スーパーヒーローが何人も集結して悪に勝利し、ヒーローの一人が時代を越えて過去に戻る結末、ラストシーンに流れたのが「お久しぶりね」”It’s Been A Long Long Time”。
キティー・カレン&ハリージェームス楽団の1945年の録音が使われた、と、やはり一気に昔話になる。
ジュール・スタイン作曲、サミー・カーン作詞。
♪キスしておくれ、もう一度、久しぶりだね、長い時間ずっと夢に見ていた♪
終戦と同時に大ヒットし日本でも昭和20年代にジャズブーム、そのピークが過ぎる頃に私は生まれた。
私がプロ駆け出しの頃、ジャズブーム青春世代は40代~50代で「お久しぶりね」「センチメンタルジャーニー」のリクエストが多く、中にはいきなり歌う人も。
高度経済成長時代の勢いと酒とで「これがジャズだ」と押しつけがましい人もいて、若い私にはこれらの”おじさんのナツメロ”にわずかながら抵抗感も覚えた。
45歳で北村英治さんとの共演が始まると「高浜、『お久しぶりね』を歌わないか」、正直、駆け出し時分のイメージが少し残っていた。
北村さん「戦争が終わってこの歌が流行らない訳がなかった。昭和20年の9月からラジオで進駐軍放送が始まってジャズのとりこになってね、学校の友達と英語も分からずに♪キスミーワンス、キスミートワイス♪なんて歌ったよ」
当時16歳の北村少年を想像して話を伺っていたら、妙な抵抗感がすっと消えて素直に歌えるようになった。
新作映画のラストシーンで思いがけず流れた時も心の中で拍手した。
12月12日(土)高浜和英トリオ・クリスマスライブ ライブ配信(有料)
詳しくはシグナスHPで