年が改まっても変わらずお古いお噂でおつきあい願います。
映画「お熱いのがお好き」""Some Like It Hot、1959年の制作だが舞台は禁酒法時代のシカゴ。
ジャズテナー奏者(トニー・カーチス)とベース奏者(ジャック・レモン)はギャングの殺戮現場を目撃し追われる身となり、女性だけのフルバンドに女装して潜り込み演奏旅行でフロリダ海岸のリゾートホテルへと逃れる。
歌手(マリリン・モンロー)とバンドメンバーはお金持ち男性をゲットしようとビーチへ、トニー・カーチスは男に戻り富豪御曹司になりすましモンローに近づく。
一方、ジャック・レモンは女装姿をリッチな老紳士に一目ぼれされ止む無くディナーへ、ダンスで激しいタンゴ「ラ・クンパルシータ」を踊るはめに。
一方、その老紳士が所有するクルーザーを我がものと偽ったトニー・カーチス、モンローを船に招いてレコードをかける。
甘い甘いバラード、「星へのきざはし」"Stair To The Stars"(ニール・セダカの同名邦題とは違う曲)
♪星に橋をかけて君と登っていこう♪
映画で流れる歌はルディー・バレーの録音、1920年代から活躍した人気クルーナー。
陸と海のショットが切り替わる度に、激しいタンゴVS甘いバラード、女装男&老紳士VSハンサム&美女、このコントラストが滑稽で見事で、モノクロ映画ながら色彩すら感じるシーンだった。
この他、モンローが歌う"Runninng Wild","I Wanna Be Loved By You","I'm Through With Love"や、バンドリーダーの名がシュガーであることからテーマ曲が"Sugar"などなど、スタンダードジャズ満載の音楽コメディー映画だった。