映画と音楽44ーシェーン

一昨日「俺のフレンチ・イタリアン青山」ソロ出演、お客は少な目だったが演奏の受けは良く、「今はビールの曲として知られていますが、元々サスペンス映画のテーマ曲で」と演奏した「第三の男」も喜んでくれた。
緊急事態宣言で許される範囲の営業に苦戦する飲食業、私も大好きな映画と音楽を届ける仕事をもがれた状態が続くが、気が付けばブログに託している私。さて本日は。

f:id:nemannekenarui1955:20201125051300j:plain

映画と音楽44-シェーン
幻のライブ企画「西部劇特集」の選曲で先ず選んだのが、映画「シェーン」(1953)、テーマ曲「遥かなる山の呼び声」"Call Of The Faraway Hills"。

中学生の時に映画館でリバイバル上映を観て、帰りに買ったテーマ曲のレコードを家に帰って聴くと映画が蘇った。
「演奏ビクター・ヤング楽団」と印刷されていて、「楽団と言えばビリー・ボーンやパーシー・フェイスなどは知っているが有名な人じゃないんだろう」と、何も知らない少年は思った。

実は偉大な音楽家で、以前、定例デュオライブで特集した折に経歴を知った。

 

作曲家ヴィクター・ヤングは1900年アメリカ生まれ。

幼少からヴァイオリンを始め10歳で祖父のいるポーランドに留学。
東欧やロシアでクラシック演奏家として活動するが、第二次世界大戦アメリカに戻りポピュラー音楽も手掛けるようになる。

1930年代半ばハリウッド入り以後多くの映画音楽を作曲、アカデミー賞に幾度もノミネートされるが逃し、1957年に映画「80日間世界一周」で受賞決定するが授与式直前に脳出血で早世。

 

「ラブレター」「星影のステラ」「ジャニーギター」、そして"Golden Earings","Beautiful Love"などに感じる哀愁は東欧やロシア時代を彷彿とさせる。

その一方「遥かなる山の呼び声」を聴いた瞬間にアメリカ西部の荒野が浮かぶ、職人技とも言える幅の広い音楽家だった。