映画と音楽66-未来にシナトラ

フランク・シナトラが1985年に来日しテレビで武道館公演を観た。

忘れられないトーク、「バーにお客が一人だけでバーテン相手に恋の愚痴をこぼしている、そんな歌をサルーンソングといいます」、歌ったのが、"One For My Baby"
大ヒットした「マイウエイ」「ニューヨークニューヨーク」などと違って地味で通好みなジャズソング、それが最近のSF映画に登場した、シナトラの姿で声で。

 

ブレードランナー2049」(2017)、海外便機内で観て後にDVDで見直した。
シリーズ初回作から話題になった日本の歓楽街や広告などミックスした未来都市や、環境破壊で荒廃した地域の風景が印象的だった。

レプリカント(人造人間)は人に服従する存在だが、感情を持ち恋愛から妊娠出産まで至った事例が判明し、抹殺の任務を受けた捜査官。
追跡捜査の中で自身の生い立ちにも疑問を持ちある場所へ向かう。
そこはオレンジ色に霞む荒廃したラスヴェガスで、孤独な隠遁生活を送る男(ハリソン・フォード)に父親ではないかと話かける。
男は棚に並ぶ高級ウイスキーをグラスに注ぎ、ホログラム(立体映像)を操作するとマリリン・モンロープレスリー、そしてシナトラが「ワンフォーマイベイビー」を歌う。

〽深夜3時前、店にお客が一人、バーテンが身の上話を聞いている・・・

歌詞はシーンにあっている。個人的には歌の伴奏はしたかもしれないがリクエストは滅多とない、監督の好みかアメリカ人にとってシナトラと言えばの1曲なのか。
ホログラムで蘇るスターの空想未来が、コロナ禍オンライン促進の今は遠くない現実に感じる。

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