映画と音楽76-北京の55日

♪ポンポンポン・・・♪のハミングで始まる「北京の55日」は家にブラザーズフォーのシングル盤があった、懐かしい1曲。
還暦過ぎた頃ユーチューブでこの曲がテーマになった映画を観た、1900年に北京で起こった争乱を描いている。

映画「北京の55日」"55 Days At Peking"(1963)、出演チャールトン。ヘストン、エヴァ・ガードナー、デビッド・ニーブン、音楽ディミトリー・ティオムキン、当代超一流勢ぞろい。
清の官僚が白人俳優<あれ?>、西太后がかなり怪しく描かれ、連合軍(欧米と日本)の大活躍で抵抗勢力義和団)を撃破してめでたしめでたし<え?>。

中国近代史「義和団事件」を読み返した。

 

『欧米や日本による清の侵略に抵抗した民間集団「義和団」が北京の各国大使館を包囲、これを西太后が支援し各国に宣戦布告、各国連合軍は歴史的名園の破壊攻撃や紫禁城文化財の略奪を行った』
映画公開当時の中国は文革で恐らく上映されていない。私も近代史など知らぬ20代で観ていたら何の疑問も抱かなかっただろう。
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この映画よりも西太后の凄まじき悪女伝が、中国香港合作映画「西太后」(1984)。

一人の少女が宮廷に召され旺盛な野心で上り詰め、気に入らない妃の手足を切り落として壺に閉じ込め顔だけ出して生かす。

悪女の残忍性かくやだが、全く映画の作り話、その後人物評価が変わって来る。

北京郊外の「頤和園」(いわえん)は義和団事件で連合軍に破壊され、これを西太后が国費を投じて修復したのは史実にある。
2001年、ここを訪れた時のガイドブックに『清が弱体化する状況で修復に国費を投じたことも日清戦争敗因のひとつとの説もある』。
ところがその後『修復工事による雇用は困窮する民衆の救済措置となった』と、変われば変わるものだ。

浅田次郎さんの長編小説「蒼穹の昴」で、弱体化する清を一人背負い政治力も人情もある女性として描かれた、それが真実に近いとしたら同情すら感じる。