よっこいしょ

新作映画「ONODA 一万夜を越えて」、福井出身の俳優津田寛治さんが若き日の主役を演じ、舞台挨拶に来福され地元話題になっている。

映画に描かれた小野田寛郎さんは、太平洋戦争終結後もフィリピン密林で終戦を信じることなく潜伏し続け、若いカメラマンとの遭遇がきっかけで帰国された。

 

私が高校卒業の頃、その少し前にやはりグアム島潜伏を経て帰国された横井庄一さんに続く衝撃的ニュース、戦後生まれ世代にとってタイムスリップして旧日本兵が突然現れたかの驚きだった。

テレビ映像で観たお二人は対照的で、陸軍軍曹だった横井さんが「恥ずかしながら帰ってまいりました」と肩を落とし涙したのに対して、元陸軍少尉の小野田さんは直立不動で眼光鋭く敬礼、軍人の階級と任務の違いを見る気がした。

当時「恥ずかしながら」は流行語となり、人気漫才B&Bは相方のモジャモジャ頭髪を密林にみたてて「小野田サーン!」と叫ぶギャグなどブームとなった。

 

昨年テレビドキュメントで小野田さんとカメラマン遭遇に至る経緯を知ったが、この映画も気になる。

私世代がしゃがんで立ち上がる、重い物を持ち上げる時に「よっこいしょーいち!」の駄洒落掛け声、今も時折言ってしまうが若い世代に意味不明、横井さん映画も制作してもらえたら。