やさしいキー

ピアノレッスン参加者で「やさしいキーで」との希望は多い。

♯、♭が多いキーは黒鍵を多用するので難しい、初心者にとってCやFが楽なことは痛いほど分かる。

 

高校時代にジャズピアノを弾きたい衝動にかられ譜面を買い、Fで書かれた「スターダスト」を練習、あの名曲が弾ける喜びを感じ、アドリブもどきにもトライした。

上京しジャズを学び始めて「スターダスト」がプロはD♭(フラット5つ)で演奏すると知って愕然、アドリブどころかメロディーすらおぼつかなかった。

プロ生活始まっても慣れるまで随分かかった。

 

20年近く前に米国の名ピアニスト、サー・チャールズ・トンプソンが日本に住んだ時期があり、仲間のベーシストから共演した話を聞いた。

「『酒とバラの日々』を半音上のG♭でやってみようと言われて、ベース弾くの大変だったけど、ピアノは難なく弾いてたよ」

楽器演奏されない方には理解が難しいと思うが、凄い話だ。