東京時代にクラシックのフルートとチェロ、ジャズベースと私の4人編成でコラボした時期があり、互いに演奏家としての日常にない楽しみがあった。
クラシックとジャズは共通点も違いもある。
双方洋楽として楽器と奏法、ハーモニーなど共通するが、クラシックは演奏する全ての音が譜面に書かれているのに対して、ジャズは記譜されてない部分をアドリブで展開する。
演奏を習熟する過程にも大きな違いがある。
クラシックは長い歴史の中で初歩から上級までの指導者や教室がシステムとしてあるが、ジャズは個人表現が重視される音楽でアカデミックな教育が難しい。
楽器の基礎的奏法はクラシックで学んでも、ジャズ演奏の技量や表現を高めてゆくのはあくまでも自己で、日々何が必要な練習かを考え積み重ねる。
私がジャズを好きになったきっかけが譜面通りでなく自由に演奏することだが、質の高い音楽を自在に演奏することがいかに難しいかを後になって知る。
自在の楽しさを少し感じるようになったのは50代後半、還暦過ぎて少しづつマシになっているようにも思うが、まだまだ磨き処多し育ちざかりの今。