ビールよりワイン

一昨日のライブ「自画像の音色Ⅱ」は東京での若手時代、映画音楽のリクエストが多かったことで数曲メドレー演奏した。

風と共に去りぬ」「カサブランカ」「第三の男」「慕情」「太陽がいっぱい」「いそしぎ」、あの頃この他にもたくさんあったが、お客様がご存知かの曲を選んだ。

但し「第三の男」にラストシーンの並木道が浮かぶ方は少ないかもしれない。

つい4、5年前、東京のピアノバーで映画音楽として演奏した折、30代の女性「ビールの曲だとばかり思ってました」

エビスビールCMとJR「恵比寿駅」発車音楽に使用されているから無理もないが、実はビールよりワインと縁が深い。

 

1949年のサスペンス映画で終戦直後のウイーンを舞台に謎の男を追う、テーマ曲誕生の本を読んだことがある。

制作ロケで現地に赴いた監督さん、ホイリゲ(自家醸造のワイン居酒屋)で民族楽器ツィターを聴いて「これだ!」、演奏していたアントン・カラスに依頼。

ホイリゲの出演料で細々暮らすアントンさん、突然ホテル缶詰めの作曲活動に苦悩し映画全般にわたる音楽を創作。

映画大ヒットで一躍有名演奏家となり世界ツアー、その後地元ウイーンで生涯を終えたそうだ。