BGM

最近あちらこちらでジャズのBGMをよく耳にする。
個人経営店オーナーの趣味というのなく、食事やコーヒーなどの全国チェーン、スーパー、書店など、「あれ、ここでも」と思うことがよくある。

飲食店に多いのは’50年代の録音で、レッド・ガーランド、ピーターソン、スタンゲッツなど一聴して分かる演奏ものやヴォーカルものが多い。
バンド仲間と仕事の合間に食事に行くと、「あ、このガーランドのフレーズ昔コピーした」「このサックス誰だろ?あ、ゲッツだ」などと会話する。

現在、こんなにあちこちでジャズが流れているので、ジャズライブにも多くのお客様が押し寄せるかというと、全くそうではないのが現実。
BGMはあくまでも店の空気の一部で、音楽として意識している人は少ないのだろうし、たとえ小声の会話でも邪魔しない適度な音量が良いのだろう。
若い頃にたまたま入った飲食店で、好みに合わぬBGMが耳障りな音量で流れていたので席に着かず出たことがあった。

数年前、富山県に仕事に行った折に氷見漁港に寄ってみることにした。
寒ブリで有名な港だが、ホテルにあった簡易ガイドに港の道の駅「フィッシャーマンズワーフ」とあって、そのネーミングからボサノヴァやレゲエなどトロピカルな音楽をイメージして行ってみた。
港に到着すると遊覧船乗り場のスピーカーから、♪うみぃ~のぉ~、おとこはぁ~~、と演歌が大音量で流れていて、「まあ、こういうことだろうなあ」と、自分の勝手な見込違いを妙に納得した。