初春のお慶びを今

昨日、銀座ジャズバー「エムズ」にベース酒井一郎さんと出演。
開演前、店主&歌手の影山ミキさんが
「今日からお正月ですね」と。
一瞬、「?」と思ったが、すぐ旧歴の正月のことだと分かって、
「あ、旧正月ね。中国観光客が凄いってニュースやってるね」
と、店のテーブルを見ると梅の枝が。頂き物だそうでまだつぼみは硬い。
そこでふと思い、
「年賀状に迎春とか梅のデザインとか書くけど、本来この時期だよね」
 
年賀状に「迎春」「初春」などの文言と梅のデザイン、子供の頃から何の疑問も抱かずに伝統だと思っているが、1月1日は、これから雪も寒さも本番という真冬で「春」というのは無理がある。季節的には「迎雪」「迎寒」とでも書く方がピッタリだ。

年賀状が郵便なので明治以降の文化であれば、何故寒中見舞いにならなかったのかと思って調べると、年賀の挨拶を交す風習は平安時代に遡り、それが書状となり明治以降の郵便はがきで全国的に広まったそうだ。

なので、明治時代に旧暦から新暦、和洋折衷文化となった結果、クリスマスカードで冬です雪ですと楽しんだわずか1週間後に、「初春のお慶び」を申し上げるという無茶苦茶なことになってしまった。のであるが、そこがまた面白い日本文化なのだ。 


ミキさん曰く「忠臣蔵だって本当は今の1月だから雪の討ち入りだけど、東京は12月に雪が降ることが少ない」
成程である。
そんなことを言いつつ、春が待ち遠しい今日この頃。

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