鼻歌でジャズ

昨日、中華レストラン「俺の揚子江」、ランチタイムソロ、午後からはテナーサックス奏者、中江裕気さんとデュオで出演。

中江さんとは、このシリーズ店控室で何度かお会いしているのが、共演は初。
穏やかな人柄で素晴らしい実力、ステージは彼の進行に任せて私は1曲づつ歌入りで、楽させてもらった。

「俺の」シリーズ店の社長と3年前に縁あって、翌2013年からレギュラートリオでの出演が始まってみると、お客様も若い、他の出演者も若手ばかり。
女性ヴォーカルとの共演では、スタンダードジャズに加えて今様のポップスも、
引き換え私は徹底してスタンダードのみ。今様の曲一切なし。

開始当初にレギュラートリオで「そのうちお役御免だろう」と話していたが、現在も継続していることは、ありがたい。

思えば約40年前、ジャズピアニストを目指してはいたが、ホテルやキャバレーでのバンド仕事では、”多くの曲を良く知っていて何でも器用に弾く若者”だった私は便利がられて、「何でもこなす職業バンド」の仕事で食っていけた。

が、世の中そう甘くない。

大衆娯楽文化の変化に伴ってキャバレーなどが急速に衰退すると、続々とバンド廃業転職する人を目の当りにした。
「器用で便利だけじゃあ食って行けぬ、ジャズ一本で頑張らねば」と、ま、演奏家としてごく当然の意識ではあったが、真面目なのかいい加減なのかよく分からん20代半ばにかかる若者だった。

当時は全く歌は出来ず、ピアニストとして多くのバンドで様々なスタイルの演奏経験をしたが、一貫して好みはスタンダードジャズ、一口に言えば「鼻歌で気軽に歌えるジャズ」だったので、ピアノだけじゃなくて「歌わなくてはいけない」との思いはあった。

それで30代にジャズコーラスを経て40代過ぎて歌うピアニストとしての現在に至っている。