時代を経ても

昨日、大塚「ウエルカムバック」、永生元伸(Bjo)&スピリッツ・オブ・ディキシー定例ライブ。
先月26日の当ブログに「谷間に灯ともし頃」のことを書いた折、永生さんからメールで、私のライブで是非その歌をと嬉しいお願いを受けた。
永生さんがバンジョーとサビにハモをつけてくれて、実に気分良くお送りした。

この歌、来月13日の私の定例デュオライブでの予定曲で、ネットで資料を確認し、参考にYou-tubeでいくつか聴いてみた。
その中に「昭和9年 東海林太郎」というのがあった。

戦前から戦後に活躍した昭和の有名歌手で、私が子供時分は既に60代。
白髪を盛り上げた独特の髪型に丸メガネ、下げた手はズボンの縫い目に沿って、気をつけの体勢で直立不動、クラシック歌手のスタイルで歌う。
往年のヒット曲には、「名月赤城山」「赤城の子守歌」など日本調歌謡も多く、その姿とのギャップを不思議に感じたものだ。

子供時分のイメージはそんなだったが、今初めて聴いた「谷間に灯ともし頃」は、そのクラシック仕込みの発声と共に、「黄昏に我家の灯~、窓に映りしとき~」という日本語歌詞が実に良かった。

若い頃は日本の戦前の音楽など霞の向こうの古びたものに感じていたが、近年ネットであれこれ知ってみると、歌唱力、演奏の質の高さなど、先人への敬意を感じる。

昭和初期に流行したジャズソング私の青空」「月光価千金」など、今も私は弾き語るが、それを若いお客様も身体をスイングさせて笑顔で楽しんでくれる。
時代を経て変わらぬスタンダード曲への敬意と愛おしさが増す今日この頃。