楽しみの共有

半袖だと肌寒いほどの気温になった昨日、上野「アリエス」、水森亜土さんとトリオの月例ライブには、相変わらず多くの亜土さんファンが来店。

トリオの演奏3~4曲で亜土さんというステージだが、ときおり、亜土さんがジャズ歌手というよりも人気イラストレーターを生で見ようとお越しの方もいて、トリオ演奏などそっちのけで大きな声で会話、亜土さん登場で突然「イエー!」とステージに注目、これは大変やり辛い。
他のお客様にも迷惑になる。

そんなことも稀にあるが、昨日のお客様全員、トリオ演奏も勿論、亜土さんの歌も熱心に楽しんで頂いた。

ジャズという音楽の誕生史によると、20世紀初頭に米国南部の歓楽街のサロンや酒場で演奏された当時は、静かに音楽を鑑賞する状況ではなかったと思われる。
ダンス音楽の要素も大きかったジャズが、1930年代頃からクラシック同様に「鑑賞音楽」として発展してきた。

私の場合は、ある程度、飲食も会話も楽しみつつリラックスした環境での演奏が好きだ。

とはいえ、演者は音に集中し奏でる、その妨げになる(=音楽の質にもかかわる)声や雑音(演奏のリズムに関係ない大きな音)などを慎みつつ、というのが、皆で楽しみを共有する最低のルールとしてあれば幸いだ。

時にその反対、「鑑賞」しなければという緊張からお客様が硬いこともあるが、大抵はトークでほぐしてリラックスへと持って行けるので問題はない。

演奏家とお客様は、音楽を通じた人と人のコミュニケーションで、上手く行く時にお互いに大きな喜びが生まれる

さて、本日は、常に大きな喜びと満足を発信する、北村英治さんと
銀座「スイング」に出演。