このシリーズ店は基本レストランなので、私も含めた出演者の多くが、「虹の彼方に」「フライミートゥザムーン」「星に願いを」など、一般的認知度の高い曲を優先し、中に自分の好きな曲を織り交ぜている。
「一般的認知度が高い曲」というのは中高年世代には当てはまるが、年齢層が若いお客様にはばらつきがある。
それでも、私たち演者がステージで繰り返しお送りすることで、若い方も覚えるきっかけとなり、それがスタンダードとして残る所以ともなる。
「私たち」とひとくくりにしたが、このシリーズ出演者の多くは若手、中では最年長の私と親子ほどの年齢差がある。
にもかかわらず、取り上げる曲が共通しているということはスタンダードの素晴らしさである。
「親子ほどの年齢差」と言ってもたかだか30年ほどの話、ここに北村英治さんが登場すれば更に孫世代へと広がる。
北村さんは1929年生まれ、ジャズという音楽が誕生して成長期に入る時代からの人生である。
「ジャズが誕生して」と言ってもここ100年余りの話、クラシック音楽の世界だと一気に200~300年に広がる。
音楽が時代を超えて人を魅了するすることに、改めて素晴らしさを感じる。
などと、どんどん話が膨らんでたいそうな俯瞰をしてみたが、話を戻せば、まあ、私もちょっと変化のあるレパートリーも加えたいな、あれやってみようか、これもいいか、などという今日この頃。