それなりに

昨日、「俺のフレンチ・イタリアン AOYAMA」に出演。
クラリネット・谷口英治さん、ベース・山本裕之さん、ドラム・ジーン重村さん。

つい先日、谷口さんと山本さんと私、ドラムレス編成で横浜の同系列店に出演し、息の合ったプレイを楽しんだが、その時と同じアレンジの曲にドラムが入って更に彩りと立体感が増す楽しみがあった。

ジャズはソロから大人数まで様々な編成で演奏することが常で、どんな編成でも多様な曲を表現することも腕の見せ所ではある。

とはいえ、やはり楽器が揃わないと表現の難しいアレンジもある。

何年も前だが、ピアノソロで出演していた時に「シングシングシング」をリクエストされたことがある。

メロディーにドラムソロが組み込まれ、ドラムとクラリネットのからみが聴きどころの曲、いかんせんピアノソロではと丁重にお断りした。

するとお客様「あのメロディーだけでも」とおっしゃるので、「では」とお送りした。

私としてはあの曲がメロディーだけというのは、コース料理なのにオードブルとパンで終了という気持ちだったが、お客様には喜んで頂いた。

演奏家としては編成によって避ける曲もあるが、ドラムレス編成でも、例えば盛り上がるノリノリの曲ならば、お客様の手拍子を促す手もあるので、それなりの満足感を盛込むことは可能である。

なので、お客様は「こんなリクエストはダメだろう」と思わずに伝えて頂ければ、それなりに面白い結果となることがあるかも。