同音異義語

水森亜土さんと伊豆の仕事に向かう車中、漢字の読みが複数でややこしいという話題になった。
私が「『伊豆』だって「イマメ」と読まず、瞬間に「イズ」と読めるのは凄いことだね」
と言うと、亜土さんやたら笑い出して、仕事終了後の打ち上げでも何度も「イマメに来るのは楽しいわ」などと言っていた。
 
日本語漢字は記憶しないと読めない単語が多く、同音異義語も多く間違えやすい。

先日もあるネット投稿文に「とても良い臭い」とあって、あ、「匂い」(におい)の間違えだと思わず揚げ足とりをしてしまった。

私も若い頃は混同していたが、良いにおいは「匂い」、悪いにおいは「臭い」で、音が同じ「におい」なので混同しがちだ。
 
漢字文化のルーツ中国語で「におい」は、良いのが「香(シァン)」、悪いのが「臭(チョウ)」と、発音が全く異なるから混同することはない。
「匂(ション)」も漢字としてはあるらしいが普通は使われない。
 
中国語でにおいをかぐことは「聞(ウェン)」と言って、これは日本語でも「聞き酒」(利き酒とも書く)とか、「お香を聞く」に残っている。
「聞」は門と耳で自然と聴こえてくる音を表現したそうだが、何故嗅覚と結びつくのかは知らない。
 
日本語の「聞く」と「聴く」は共に「きく」だが、これも中国語だと「聞(ウェン)」と、「聴(ティン)」(音楽や話に耳を傾けること)で、音が全く違うから混同しない。
 
中国語を通じて、漢字を都合に応じて読みかえる日本語の特性を改めて感じ、同時に、これほど曖昧な言葉を使いこなしている日本人と、パソコンの変換機能に感心する。

さて本日は「俺の割烹」「俺のフレンチ・タブル・タク」出演。
20代の若手クラリネット、宮崎佳彦くんとのデュオ初共演が楽しみである。