アマポーラと虞美人

昨日は日曜、銀座もサラリーマン姿はなくのんびりそぞろ歩く人。
秋晴れでお昼頃は陽も暖かかったが、コートを着ている人もちらほら。

お昼は「俺の揚子江」ランチタイム、午後~夜「俺のフレンチ・タブルタク」、ソロ出演。

ランチタイムのスタート曲は「アマポーラ」と決めている。

お昼という時間帯でもあり、スローから軽いスイングテンポというアレンジが、ソロ演奏のペースも作り易い。

中高年女性は曲名を告げただけで「ああ」と反応があって、「JRのCMで吉永小百合さんが出演されるバックに流れて・・・」というトークに頷いてくれる。

「アマポーラ」とはスペイン語でひなげしの意味だそうで、英語だとポピー。
ひなげしは別名「虞美人草」(ぐびじんそう)で、国史の一説に由来する。

紀元前200年頃、秦の滅亡後、漢の劉邦に追い詰められた楚の項羽、最後を悟って行動を共にした愛する女性「虞」(ぐ)は剣の舞を踊り自害。
後にその地に咲いた赤い花を人々が「虞美人」と呼んだという話。

昨年、BSフジで放映された中国制作ドラマ「項羽と劉邦」全80話を観た。

劉邦は貧農出身で人情に厚く酒と女性を好む人間臭い男、方や、項羽は冷徹なほど強い意思と力を持つ若きエリート軍人。

全くタイプの異なる二人だが、若き精鋭の項羽に対して、少々だらしない面も多いおっさんの劉邦が勝利して漢の皇帝となる歴史ドラマが、実に面白かった。

と、話が「アマポーラ」からそれたけど、まあ、私としてはこのさりげない一曲から壮大な歴史ドラマへと時空を飛び越えるわけであります。

だからと言ってこの曲の演奏中に項羽と劉邦を想うなんてことはないし、「ひなげし」だからと、往年のヒット曲♪おっかのう~え、ひーなげしの、は~なで♪などと青春の懐メロを連想もすることなく、揺るぎなく(?)「アマポーラ」として演奏をお送りするのであります。