ダイナ

昨日、銀座「スイング」北村英治カルテット(山口雄三B、八城邦義Dr)に、ゲスト、中川喜弘TPさん、中川英二郎Tbさん。

リクエストで「ダイナ」。
北村さん、2年前(2013年)に日本橋三越劇場で「昭和ジャズ黄金時代」コンサートで演奏して以来ちょくちょく取り上げるようになったが、曲解説が面白い。

「以前、NHKで面白い資料を聴かせてもらいました。
太平洋戦争に入る直前、アメリカのルーズベルト大統領の誕生日に日本の子供たちの合唱で「さくらさくら」をラジオの短波放送で送ったんだそうです。

そのお返しにとアメリカから、ベニー・グッドマン・カルテットの「ダイナ」を短波放送で送ってきた、その録音です。

日系人のアナウンサーでしょうかねぇ、とても流暢な日本語で、『エノケンさんの歌でお馴染みのダイナを』と言うんですよ。私はディックミネで有名だと思ってたんですけど」

1930年代末、日米開戦直前に短波放送を通じた音楽交流があったなんて。
ベニーグッドマンCl、テディウイルソンPf、ライオネルハンプトンVib、ジーンクルーパ―Dr、による少々アップテンポでの「ダイナ」はCD化もされている。

ま、そんなんで、コンサート以後、アップテンポで「ダイナ」を
その内、「高浜の歌入れてやろう」と言うことになって、歌だと歌詞が少々混んでいるのでテンポをミディアムに落とした。

このところしばらくやっていなかったので、昨日は歌と思わず、北村さんの曲解説の間に、アップテンポのイントロを出すつもりでいた。

「ではダイナ、高浜の歌でお送りしましょう」ときたもんだから、「え!あっ、歌うんですか」と言って、ミディアムテンポでイントロを出して瞬間に「久々で歌詞大丈夫かな」という想いもよぎって、まあ、忙しかった。

ま、テンポも遅からず早からず調子良く、歌詞も大丈夫だったから良かった。

この曲は昭和9年にディック・ミネさんが日本語歌詞でラブソングとして作詞して大ヒットさせた。
その後、エノケン(コメディアン:榎本健一)が、「だ~んな、飲ませてちょうだ~いな」というお笑い歌詞でこれも売れた。

当時のアメリカの曲紹介が「エノケンさんでお馴染み」なのが意外だ。