「俺の」シリーズでライブ感覚の強い店舗で、特にヴォーカリストは目の前のお客様の反応がダイレクトに感じられる同店の出演を好むようだ。
「サテンドール」など歌でスイングし、そして私もかなりノリノリでその反応がお客様の手拍子へとなると、更に我々も、と良い相乗効果。
控室で系列店出演ピアニスト柳準一くんと一緒になり、私がプロスタート頃の話になった。
「最初『赤坂プリンスホテル』に何か月か、その後『ニュー・ジャパン』だった」
とここで、ニュージャパンのホテル名に反応なかったので、「大火事で焼けたホテル」と言った。
すかさず<あぁ、あのホテルですか>と反応あると思ったら、柳くんとさつきちゃん同時に、「えーっ!ホテルが焼けたんですか!?」と。
私、<えっ、知らないの?>と意外に思ったが、二人とも30代前半だから知らないのかなぁ。
柳くんその場でスマホで検索
「あ、すげーいっぱい出てきました!1982年ですね・・・えーっ、32人も死んだんだ。当時の朝日新聞の見出しが『32人 死ぬ』、この頃の新聞ってもろですね、『死ぬ』ですよ」
私「大参事だったから、強いストレートな表現をしたんだろうねえ」と。
私はホテルに入って正面奥のラウンジに、アルトとクラリネットとデュオで連日3ヶ月ほど出演、その数年余り後の大参事だったのでよく記憶している。
一方、彼らにとっては生まれた頃の話だから、やはり知らなくて当然だった。
私も若者時分、年の離れた先輩の昔話を知らないと、「えっ、知らないの?」と意外そうに言われて、<そんな昔のこと知ってるわけないでしょ>と思ったことがあった。
だから、昨日、「えっ、知らないの?」との言葉を呑んだ。