以下、親しみを込めてコウちゃんと表記する。
私より4歳上だが、お互いが30代の頃にクラリネットの花岡詠二さんのグループで初共演して以後、かなり頻繁に共演した。
ドラマーとしても素晴らしいが、彼の育った環境に大きな興味を持つ。
大阪に生まれ両親を早く亡くし中学生から実姉の家で育つ。
関東の方には馴染みが薄いだろうが、福井県育ちの私は少年時代に関西系テレビ番組でよく見た有名落語家のお一人で、艶笑噺を得意とする芸風だった。
昭和の終わる頃だったか、東京の歌舞伎座で独演会を開くほどの人気だった枝雀さんが、まだ小米(こよね)と名乗った時代。
コウちゃんの英語の先生で、小米さん「大きな声で私の後について言って下さい、アイハブアペン!」
復唱すると、「声が小さい、もっと大きな声で!」と、かなり大声で復唱。
コウちゃんとしては普通の民家なのに大丈夫かと気になったそうだ。
ひととおり済むと「はい、じゃあ、この後は小噺を教えましょう」と、これも、大きな声で復唱したそうだ。
彼のドラムソロにおいて、お客にアピールし思わず笑いがこぼれる部分に少年時代培われた資質を感じる。