歴史の証人

昨日、銀座「スイング」北村英治カルテット(私、小林真人B、八城邦義Dr)、ゲスにトアルトサックスの大山日出男さん。

満席の盛況で、北村さんはいつもながら淀みないトークに演奏。

毎年2月末にはステージで226事件の話をするが、昨日はしなかった。
と思ったら、楽屋で大山さんに。
と言っても北村さんから話出したのでなく、他から振られる形でだったが。

昭和11年、北村さんが小学校に上がることで親が神田の歯医者を予約、その当日のこと。
朝から雪やみぞれ、渋谷の自宅からバス、市電を乗り継いで「行く予定が、中止になった。その理由が「反乱軍が占拠して市電が停止して行けないから」だった。

「市電(現:都電)で九段まで行って神田方面行に乗り換えるんだけど、三宅坂の今の国立劇場の前にね、肉弾三勇士の像ってのがあったんだよ。
まぁ、大変な時代だったよね。
戦争終わって進駐軍が来たら撤去されたよ。そらぁ、こんなさ(両手でかかえるしぐさ)爆弾かかえた3人の石像なんてマズイもんな」

毎年、この話を伺うが、その度に「ひえ~」である。

普段何気なく冗談を言ったり演奏を共にさせて頂いている方が、私にとって歴史の彼方の大事件をリアルにご存知というのは凄い事。

と、それを北村さんに告げると、
「まあ、子供にとって大変な出来事だったんだね」
というお言葉に私思わず、
「いえ、子供にとってじゃなくて、日本の大事件だったんです!」
と思わず、突っ込み。
北村さん笑って「ああ、そうだな」。

しかし、その言葉も当時子供だったからこそのリアルな実感であり、6歳にして鮮明に記憶に残った出来事ってことなんだろうなあ。