吹き替え

昨夜、テレビで地震関連のニュースがひと段落して、BS-D Life に回すと(テレビのチャンネルを実際に回していたのは何十年も前だが、今でもこの表現しか思いつかない)、米国の犯罪捜査ドラマをやっていた。

その中の台詞に、「口笛の吹き方知ってる?」 ローレン・バコールかい」というやりとりに、「へー!」と感心する私に家内が「何?」と。

この「口笛の吹き方~」というのは、映画「脱出」のハンフリー・ボガートの相手役ローレン・バコールの台詞。
こんな昔の映画の台詞が今も生きているとはの「へー!」だった。

1944年の映画で、「カサブランカ」と同じく対ナチスがテーマ。
若きローレン・バコールの肝の座った女っぷりも魅力的だったが、ホテルのピアニスト役で、作曲家のホーギー・カーマイケルが出ている。

ピアノ演奏のシーンも多く、バンドと共に「ホンコンブルース」を弾き語り、ローレン・バコールの歌で「ハウリトルウィノウ」が披露される。

25年ほど前だったか、テレビからビデオ録画して映画を知った。
吹き替えだったが、台詞のみならず部分的にピアノの音も。

ボガートとバコールが会話するシーンのバックで、カーマイケルが弾くソロピアノが、なんとセロニアス・モンクの『煙が目に染みる』に差し替えられていた。

50年代以前の映画によくあることだが、多分、台詞と音楽のトラックが分けられてなくて、原語を消すと音楽も消えてしまうからだろう。

パッと見は違和感なく”モンク”も出ないのは、日本語制作スタッフが苦労してそれらしい音源を入れたのだろう。

熊本の被災されている方々、早くこういう何気ない話題を楽しむ日常に戻られることを祈る。