カスバの謎

数年前のことだが、クルーズ仕事中に映画「望郷」を観た。
 
1937年の仏映画で、当時植民地だったアルジェのカスバが舞台。
主演は若きジャン・ギャバンが犯罪者としてここに逃げ込んだペペル・モコを演じている。
 
カスバは古代城塞跡の斜面に発展した一角で、映画では怪しい伏魔殿として描かた。 
事実とは違うらしいが、カスバがこの映画と共に世界的に有名になった。
 
私の子供時分に「カスバの女」という流行歌があった。
子供にとってカスバは意味不明、更に♪ここは地の果てアルジェリア~という歌詞が謎を深めていた。
 
地の果てだから相当遠くて辺鄙な所とは思ったが、当時の歌謡曲に出てくる地名は戦中の南方や上海とかハワイ、戦後になるとほとんど日本国内、その中にあって「アルジェリア」は唐突感があった。
 
その謎が50年近くを経て、映画「望郷」が下敷きになったと理解した次第。

この歌が流行った当時の大人には、映画の記憶があったのだろう。
クルーズで見た折、北村英治さんに「望郷」を観たと話すと、「あ、ペペル・モコか」と即座に言ったくらいだから。
 
テレビで現在のカスバを観たが、古代の城塞跡として世界遺産に登録されているそうだ。
無論、映画に描かれた怪しい雰囲気など微塵もなかった。

さて、本日は赤坂「Bフラット」、バンジョーの永生元伸さんのライブ。