カセットテープ

音楽媒体としてネットやディスクが主流の今、カセットテープが再評価されているそうで、それを知らない世代でも「アナログ感が良い」と魅力を感じる人もいるとか。
 
カセットを初体験したのが中1(1973年頃)で、同級生が親に買ってもらったと持って家に遊びに来た。

私はオープンリールは持っていたが、形状から何から違うその新製品に強く興味を持った。 
ティッシュの箱ほどの厚みで横幅1.5倍増しくらい、それにカセットテープが入っていた。

友人が「すごいやろー、今、聞かせるぞ」と自慢げに言って再生ボタンに指を置き、
「これ、いやらしいんやぞー」
と、流れてきたのが当時流行の歌謡曲『恋の奴隷』だった。
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 歌に対して「いやらしい」とは申し訳ないが、大人のお色気たっぷりの歌で中1男子の表現としてご勘弁を。
 
この話から数年ほど後の中国。
文革が終焉し海外文化がわずか入って来た時代に日本製カセットも初登場した。
 
折しも台湾からテレサ・テンの歌う「夜来香」(イエライシャン)「何日君再来」(ホーリンチンツァイライ)が入って来たが、国は「退廃的音楽」として禁じた。

ところが、毛沢東賛歌、革命的音楽一色だったところに甘い歌声のラブソング(お色気とは全く違う歌)は、カセットの急速な普及とコピーの連鎖で瞬く間に庶民に浸透して国も黙認したそうだ。
 
今もカセットテープもプレーヤーを持っているが、使うことはごく稀である。