ジャズベース昨今

昨日、横浜「俺のフレンチYOKOHAMA」に、ベース菊田茂伸くんと出演。

かなり久々の共演だった。
多忙に活躍している若手ベーシストで、安定したビートに加えて豊かな表現力を持ち、「月光値千金」をオールドスタイルでの弾き語りもピッタリ。

私は20代半ばでこういうオールドスタイルを好きになったが、当時、こういうリズムを演奏する人が少なかった。
彼にそのことを話すと、不思議そうに「何故ですか?」と。

モダンのスタイル全盛の1970年代、ウッドベースもピックアップ(専用のマイクでアンプにつないで音を補足する)が普及することで、ジャズベースの音が変わった。

専門的な説明は避けるが、とにかく、私もそのベースの音がカッコよく感じていたくらいだから、ベーシストは過去にない前進を求めるのは当然で、古いスタイルを見向きもしない覚えない人も多かった。

私も若かったし技術も未熟で、極端にオールドスタイルでやろうとするところに無理があったと思う。

前進のみの風潮は1980年代まで続いたが、それ以降は古いとされたスタイルも見直されて偏重もなくなった。
ファッションでも何でも、ちょっと前の流行りが妙に古臭く感じるのと似ているのかも。

80年代に生まれ育った菊田くん世代は面白いと思ったことを何でも吸収する。

彼は以前ロカビリーバンド共演で得たという”スラップ”(ウッドベースの弦を指で弾いて手で叩いて、バチバチ打音を混ぜる奏法)や”ベース本体を回す”などの見せる技も、ジャズのステージに生かしている。

昨夜は私もとても楽しみ、お客様もよく楽しんでくれた。

本日は9月予定のナレーションとのコラボ「天空の景」、会場での打ち合わせ。