仲間

先日、横浜で共演したテナーの中江さんは30代後半。
「音楽性の合う仲間で長く共演してゆくことに憧れがあるんですが、私の世代だと進む方向が変わる人もいて難しいんです」と。

私のトリオの話になって、長い年月同じメンツで音楽的な違いで衝突することはなかったかと聞かれた。
思い起こせば、あまりなかったのでそう答えた。

確かに20~30代は試行錯誤して自分の進む方向を見極めてゆく演奏家が多いだろう。
出会いがあって意気投合しても、共演する内に自分も相手も方向が違って行くことはある。

私の場合、根幹となる部分は20代からあまり変わっていないが、それでもあれこれ試行錯誤する中で共演する仲間も変わってきた。

しかし、今のトリオ、出会いから言えば30年近いつきあいだ。
中江さんとの会話で、改めて大きな衝突もなく長く演奏できることは幸せだと思う。

そこにはお互いの敬意があり・・・などと、言葉で書くと何だか大層な信頼関係に裏付けられたかのようだが、「思いのままストレスなく演奏出来る気の合う仲間」と言う方がピッタリくる。

そんなトリオと水森亜土さんと、本日、久々に上野「アリエス」に出演します。