目からうろこが落ちる

昨日、上野「アリエス」、水森亜土さんとレギュラートリオ(酒井一郎B、八城邦義Dr)で出演。

先日、思い付いのソロで弾き語った「ヘイグッドルッキン」をトリオでやって、のうてんきな明るさをお客様楽しんでくれた。

この曲を覚えた中学生当時、冒頭の歌詞がレコードにこう訳されていた。
"Hey,hey,good lookin' whacha got cookin'?" 「よう、そこの別嬪さん、料理はどうだい?」

漠然と長く記憶していて、いざ歌ってみようと思ったら、女性に声をかけていきなり料理を聞くのは不自然との疑問を抱いた。

調べてみると、"What's up"などと同じく気軽なあいさつだそうで、Lookin' /Cookin'と韻を踏んでいる。

その後の「車もあるし、”2ドル札”も持ってる」という歌詞もずっと疑問だった。

この曲が作られた1951年当時でも自慢に値する金額でないはずで、そもそも何故2ドル「札」なのか。

調べてみると
「米国で1928年発行された2ドル紙幣は、流通が少なく希少価値で、縁起にからめた。1956年の映画「上流社会」で、映画界を去るグレース・ケリーに共演したシナトラがプレゼントしたのも2ドル札」。

その他あれこれ、歌を覚えて以来40数年経ての目からうろこが面白い。
と同時に、それほど長く知らなかったことへの恥じらいも感じるが。

昭和の時代に洋楽の訳詩は、辞書にないスラングなど苦労されたことと思う。
少々の誤訳はあっても、少年が洋楽にのめり込む助けになってくれたことは確かだ。