ベースの話

カントリーレジェンドのハンク・ウイリアムズの録音には、ウッドベースと別にポコポコしたベース音が聞こえる。少年時代この音が不思議だった。

仲間のギタリストから、「昔はベースギターというのが使われていた」と聞いて、どんなものかと思っていた。

近年、ユーチューブで1950年代初頭のハンク・ウイリアムズ動画を見て、「ああ、これか」と。

ソリッド(楽器の胴が箱でなく一枚板)ギターで弦は4本のベースギター、
ウッドベースがいながら、ベースと同じ音に飾りを付けてリズムの味付け役も兼ねている。

楽器の歴史を見ると、50年代初頭にソリッドのベースが登場したが、それを増幅するアンプは後年開発された。
ハンクの時代はまだベースとしての役割は果たせなかったのだろう。

私が小学生の頃には、ビートルズベンチャーズの流行で既にエレクトリックベースだったが、ポピュラー音楽の(日本の歌謡曲でも)フルバンドではまだウッドベースも多かった。

ウッドからエレクトリックに移行すると、1小節に弾く音が細かく多くなる。
言い換えれば、体を2回動かしてリズムを感じていたのが倍の4回動かす訳で、躍動感が増す。
60年代後半以降は、やけにベースが細かく動き回ることも流行った。

逆に50年代~60年代初頭のポップスに感じるのんびり感は、ベースによる要因もあるだろう。

ピアニストながら気になるベースの話でした。

さて、本日は上野「アリエス」、水森亜土さんとレギュラートリオ、エレクトリックベースも見事な酒井一郎さん(B)、八城邦義さん(Dr)での出演。