スマイル

映画「モダンタイムス」でチャップリンが作曲した「スマイル」をソロピアノの時によく演奏する。
曲そのものにまつわる訳ではないが、「微笑み」というタイトルに数年前に亡くなられたKさんを思い出す。

私よりも10歳ほど上で背も高く、初めてお会いしたのが確か上野アリエスの亜土さんライブだった。

ワンステージ終わった時に私の前に立ち、「あなたの演奏ねぇ・・・」と怖い表情で、これはてっきり演奏が気に入らないというクレームだと思った。

若手の頃は、ちょくちょくいたもんだ。
ジャズは演奏家の個性の違いも味わいであるが、中にはレコードで聴き覚えた演奏と違うから気に入らないと、この方もそういうことかと少々緊張した。

「あなたの演奏ねぇ・・・、とても良かったよ」。

瞬間「えっ!?」と、すぐさま「あ、それはありがとうございます」と礼を述べ、心の中で<だったら笑顔で言ってよー>だった。

それを機に、私個人のライブや北村さんライブのご常連としてもお越しになってくれ、以後はいつも笑顔だった。

お酒と駄洒落が好きで、よく"Chinatown My Chinatown"をリクエストする時にはいつもメモに「信濃町」と、東京JR駅名を「シナの町」に掛けた駄洒落。

「スマイル」をリクエストされた記憶はあまりないが、曲のタイトルと初対面の印象のギャップで思い出す。