おぞい

北村英治さんのマネージャーは静岡出身で、以前、会話の中で「おぞい」という方言が、福井出身の私と共通していることにお互い驚いた。

「おぞい」は質が悪い意味で、物や人に対しても使い、標準語では言い替えが出来ないニュアンスがある。

例えば、娘が連れて来た彼氏を気に入らない親が、「あんなおぞい男」と、標準語で「悪い」「ぶさいく」より少し緩和されるように思う。

検索してみると全国各地にある方言のようで、「語源として『おぞましい』に関連する」との記載もあった。

地方出身者として、こういう他にもあった共通方言にびっくり、その反対に標準語かと思ったら実は方言だったこともある。

私が上京直後、「みずや」(関西で食器棚のこと)、「つるつるいっぱい」(容器に水などが満杯の状態)、「そこたらじゅう」(そこいらじゅう)などあった。

東京暮らし45年となった今はさすがに出ないが、同郷の家内とは未だに方言会話が日常となっている。