毎日出演先が違うので、翌日の予定を覚えている時もあればそうでない時もある。
この仕事でも毎日同じ場所に通った時期もあった。
今から42~3年前の駆け出し時代、ホテルやキャバレーのレギュラーバンドとして、何か月かづつ同じ所に通った。
場所は同じでもバンドメンバーの出入りはあって、条件の良い話しが来れば鞍替えする、私もそうだった。
中には演奏やマナーが悪くてクビになる人もいたが。
そういう仕事が4~5年は続いたが、昭和の大衆娯楽がキャバレーなど大勢が集まる所からカラオケなど個人的な単位に変化して、演奏家人口も急減した。
以前、世界的テナーサックス奏者スコット・ハミルトンさんとの会話で、昔のように毎日同じ所に行く仕事はないと言ったら、「私も同じだ」と言う。
スコット「40年ほど前は、ジャズクラブ出演が1週間や10日間単位の連日出演が多かったから良かったが、最近はどこも一日単位だからね」。
どこが同じなんだ!
スコットさんは、超一流有名ジャズクラブに超一流有名ジャズ演奏家との共演、私のキャバレー話と全く違う話しだ、と、心の中でつっこんだ。
超一流有名クラリネット奏者と超一流ジャズクラブ出演、自分のことはさておいて、ありがたいこと!