映画の余韻

映画「グリーンブック」の余韻がまだ残る。
最近見た映画の中ではとても心に残る作品だった。

昨日、「俺のフレンチ銀座コリドー街」にソロ出演。映画を観てきましたとトークするとお若い女性4人席から「あぁ!」と反応あり。

ピアニストの映画と言えば「愛情物語」、と、またまた往年(1955年)の映画話になってしまうが、こちらも実在のピアニスト、エディー・デューチンの物語だった。

最初映画館で見た時は、演奏シーンで主演のタイロンパワーの手がピッタリ合っているように思えたが、ビデオで何度も見ると合っていない所もあった。
だからと言って映画に対する思いは全く変わらないが。

片や「グリーンブック」は手が完璧に合っていたので、ネット検索したら、プロピアニストが演奏して首から上を合成したのだそうで、今の技術の凄さを感じる。

そんな技術の話はさて置いて、「愛情物語」はふんだんにスタンダード曲が登場する音楽映画だったのは、当時の一般大衆がそれらの曲に馴染んでいたからだろう。

「グリーンブック」も最初ナイトクラブのシーンでフルバンドをバックに歌手が"That's old magic"を歌うシーンから始まったが、その後の演奏シーンは短く、黒人と白人が心の交流を深めてゆく人情劇だった。

全体に軽妙なシーンも多く暗さはないが、人種差別の深い意味も込められた映画。
1960年台当時の米国の話、他人事と観ることも出来るが、人と己を差別化することは身近に、或いは自分自身にないだろうか、なんてことも思う映画でもあった。