リルとリリー

先日の北陸2日間は、いずれも私のレパートリーにお古いジャズ曲が多いことを前提に企画してくれたライブだったので、久々に「上海リル」を弾き語った。

1933年の米映画「フットライトパレード」のテーマ曲で、アル・デュビン作詞、ハリー・ウォーレン作曲。

映画を知る前は曲のイメージから、霧が渦巻く上海のミステリアスなロマンを想像したが、知人から借りたビデオで観たらかなり違っていた。

内容は、舞台ミュージカルの演出家が映画人気に押されて、新たな舞台造りに奮闘するストーリー。

上海に行くわけでもなく、舞台のシーンで主演のジェームス・キャグニーが「上海リル」を歌い踊る。
力強い歌いっぷりでタップを踏み、リルが登場し、軍隊のマーチになる展開。

この前年の映画にマレーネ・デートリッヒが主演した「上海特急」がある。
北京から上海までの特急列車に乗り合わせた乗客が、途中様々なトラブルに合うも無事終点までというストーリーで、デートリッヒは魔性の女「上海リリー」を演じた。

デートリッヒの存在感は凄く、魅力的。
そして、列車の発車シーン(多分ハリウッド内のセットだろう)の駅名が、「北京」でなく「北平」であるところに当時の歴史を感じる。

私の中ではデートリッヒの上海リリーが上海リルとダブる。

これら関連の話題は過去もブログに書いたと思うが、改めてオールド上海の時代とジャズの魅力を今回の北陸ライブで思い出した。