サビから違う

一昨日、トリオで弾き語った「恋のささやき」"I Can't Believe That You're In Love With Me"と全く同じコード進行の曲が「キャンディ」"Candy"だ。

例えば、ベーシストが「恋のささやき」を知らなくても、「キャンディと同じ」と一言で譜面なしで演奏可能。

ライブでこういう場面を目の当たりにしたお客様が、「どうして知らない曲が演奏出来るんですか」と不思議がるのは、そういうこと。

コード進行がほぼ同じ、或いは頭は同じでサビから違うなどの例は多い。
サビから違うと言えば、こんな話を思い出す。

昭和の終わり頃、よく出演していたライブハウスで結婚披露宴の演奏を頼まれた。
バンド演奏を終えて、お客様の余興タイムでおじさんが当時の定番曲「娘よ」をカラオケで歌うことになった。

通信カラオケなどない時代で、お店スタッフがカセットテープを頭出しスタート。

演歌調のイントロ♪ズンチャカチャッチャ♪
♪よ~めに行く日ぃがぁ、来なぁけりゃいいとぉ~♪、一同手拍子。

サビに至ってストンと調子が落ち着く、はずが、カラオケはジャカジャカジャーンと盛り上がる、おじさん「あれぇぇぇ、ちがうぞーぉぉぉ」(エコー付)。

スタッフの声「すみませーん、間違えました!」、どうやら1曲前後して違っていたらしい。
笑いの中しばしの間、再びおじさん歌いきって丸く収まった。

今思えばイントロでおじさん気が付かなかったのかなと思うが、人の手によるアナログの時代でクレームなどなく、のんびりした話に感じる。