ごく普段の

本日は銀座「俺のフレンチTOKYO」に出演。
共演はベース酒井一郎さん、ドラム八城邦義さん、長年のレギュラートリオ。

私のレパートリーはジャズと言ってもスイング風やディキシー風ありで、と、「風(ふう)」付の曖昧表現になってしまうが、微妙な違いを言葉で表現するのは難しい。

「俺の」シリーズでは若手ドラマーとの共演も楽しみだが、リハーサルもなくスタンダードがスムーズにいく、気を良くして次に「月光価千金」などの古風な曲を選ぶと、味わいが出ないことがある。

1960年代以降、ジャズが進化したモダンスタイル一辺倒となって、古いスタイルは見向きもせず前に進めの勢いが強まった。

90年代以降はその勢いも緩やかになって、スイングやディキシーのスタイルも「古臭い」などと一蹴されなくなった。

最近ではスイングやマニューシュ(フランス風ジャズ)が好きという20~30代の演奏家も増えた。

それでも、先に書いたようにそのスタイルの風味が出ないことがあるのは、スイング、ディキシースタイルというのが依然少数派なのだろう。

先日も若手ドラマーに曲のニュアンスの違いを説明すると、「その違いは意識的に変えて演奏するのですか?」と質問されて、「うーん・・・」と考えてしまった。

思い起こせば、私も若手の頃は意識的に変えていたかもしれないが、今は、曲による風味の違いしか感じておらず・・・、その違いというのが意識的に変えることなのか・・・、と、もはや、あまりに普段の無意識なことで説明に窮した。

ということで、本日は、ごく普段の無意識なメンバー(メンバー諸氏への敬意からの言葉です)で演奏。