北村さんとは旧知の仲で、私が以前お会いした時はあいさつ程度だったが、今回コンサートの前後に伺ったお話しは実に興味深かった。
かつてカントリー音楽のラジオ番組も担当されていたそうだ。
その音楽の聖地とも言われるナッシュビルにも何度か行かれて、そこであのビル・モンローやハンク・スノウを生で聴いたという話に興奮を覚えた。
いずれもカントリー音楽全盛期の超有名スター歌手である。
矢島さん「ナッシュビルの録音スタジオに行った時にね、もう世の中がデジタル化してきた頃だったのに、旧来のアナログ録音なんですよ、昔のこんな(親指と人差し指で数センチ示し)太いテープでね。それで、何故デジタルを使わないんだって聞いたら、これ(アナログ)が音が良いんだ、デジタルはCD化の段階で使うんだってね。こだわりがあるんですね」。
「紅白の本番でね、○○(某有名フルバンド)のリーダーが、キュー(合図)と同時にジャーンと音が出るはずなのに”ワン、ツー、スリー、フォー”とカウントを出したんですよ。テレビ見てる人は写った瞬間に無音の間があるんで、あれっ?てなもんですよね。後で注意しました」
70年代アイドルグループだった「キャンディーズ」の名付け親でもある、正に昭和の芸能界を支えたお一人。
そんな話を嫌みなくさらりと、自慢話でなく心底音楽が好きで面白い仕事をしてきたという気持ちが伝わる。そんなお人柄が北村さんと長年のおつきあいとなっているのだろう。
コンサート終了後に、私の弾き語りした「枯葉」を、「あれ良かったねぇ」と嬉しい言葉を頂いた。
また、お会い出来る機会があればと思う。