直線曲線ソプラノサックス

昨日、銀座「スイング」、北村英治カルテット(小林真人B、八城邦義Dr)にゲストはクラリネットとカーブドソプラノ・サックス、鈴木直樹さん。

「カーブドソプラノ」というのはテナーサックスのように「J」字曲線状のソプラノサックスで、直線状の「ストレート」に比べて音が柔らかい。

直樹くんは、15年ほど前に二胡奏者のチェンミンさんのグループにも参加してもらっていた。
その時は、クラリネット、ストレートソプラノ、テナーサックス、フルート、というマルチ楽器奏者として演奏してもらった。

元々は二胡とスイングジャズのコラボという企画で結成されたユニットだったので、ピアノ、ウッドベース、ドラム、トロンボーン、クラ&テナーサックスという編成だった。

チェンミンさんがこのグループでライブやコンサートなどの活動をするようになり、アレンジャーを兼ねていた私はジャズ以外に、中国の曲、日本の曲とレパートリーを広げた。

特に中国や日本の曲にはフルートとストレートソプラノが是非とも必要だった。

何故テナーとクラの音色がアジア的イメージに合わないかと考えてみると、多分、フルートは横笛、ソプラノは篳篥(ひちりき)と、古来中国や日本にある楽器に近い音色だからかと思う。

ソプラノもカーブドだと音がマイルドでサックスらしいところがイメージに合わず、ストレートの硬めの音色が合う。

専門的にはオーボエの方が発音構造も篳篥に近いが、ストレートソプラノでも十分だった。

そんなことで、鈴木直樹くんが若手だった頃からのつきあいになるが、中堅と呼ばれる世代となり、クラリネット奏者として昨日も大御所北村さんと見事な共演を披露してくれた。