昭和テナーサックス

昨日午後ピアノレッスンに来たOさんは以前エレクトーンの演奏経験があり、「ダニーボーイ」を弾いた折に、お父様から「なんでそんな曲を?」と言われたそうだ。

お父様は現在70代と聞いて私、「もしかして、昭和のテナーサックスのイメージ?」と言うと「それもあったと思います」と。

「ダニーボーイ」が流行ったのは昭和30年代~40年代、テナーサックスが人気の楽器だった。
 
ジャズ的技法「サブトーン」(サックス音に息が混じる)に「ポルタメント」(音をずりあげる)、それにリバーブ(エコー)を効かせたサウンドは、「ムードテナー」などと呼ばれた。

この手の有名演奏家はシル・オースティン、そしてサム・テイラー昭和歌謡や演歌まで多数録音して売れに売れた。
 
夜のネオン街、キャバレーなどに流れ、男性好みの傾向があったが、「テナーの音って何だか体がうずくのよね」などと宣う女性もいらして、健全志向の方からは「いやらしい」とまで評されたほど。

ここで話を戻して、お父様の「なんでそんな」にもそんなイメージがあったか。
 
歌としてはハリー・ベラフォンテでヒットした。
原曲はアイルランド民謡で歌詞は遠くにいる息子を故郷で思う親心、こちらは健全志向の方にも大いに好まれた。

レッスン後は池袋「ばがぼんど」にソロ出演。
連休明け、雨、お客様はご常連のみ、ピアノ演奏中心にバラード多めの大人な夜(?)だった。