吟遊詩人

昨日は「俺のイタリアン JAZZ」で久々にウタバン(歌伴奏)の仕事だったが、日々の仕事は弾き語りが多い。
楽器を弾きながら歌うことを、何故「弾き歌い」と言わず「語り」と言うのか、検索してみた。

琵琶法師は一人で琵琶を奏でつつ歌い語る、確かにこれは弾き「語り」だ。
浄瑠璃は「語り」と伴奏の三味線との二人、それを一人でやることを弾き語りと呼んだ説。

弦楽器(ピアノも)なので「弾き・語り」、吹奏楽器を演奏しながら語るのは不可能だが可能であれば「吹き・語り」、打楽器なら「打ち・語り」か。
 
中世の西洋で弾き語りと言えば「吟遊詩人」。
弾き語りで各地を移動する芸人のことで、恋歌ばかりでなく時事ネタなども各地に伝える役目も担ったそうだ。
 
吟遊詩人はヨーロッパ各地で複数の呼び名があったが、その一つがミンストレル。
 
これが語源となったのが、19世紀のアメリカ各地を巡業した芸人一座「ミンストレル・ショー」。
レコードなどのメディアがない時代、フォスター曲もこのショーで各地に広まったそうだが、白人が黒塗りで黒人を演じた。
その芸風がジャズ歌手の元祖と言われるアル・ジョルスンに受け継がれた。
 
現代の英語で「弾き語り」は、Plays and singsとか  Sing with the piano  と言う表現しか知らないけど、他に単語表現はあるのか?
因みに中国語は「独奏独唱」で、これも今風の表現があるのか知らない。

これらの言葉の中で、「吟遊詩人」とは何とロマン溢れる言葉だろう。
日々各地に赴いて弾き語りする私は、云わば現代の吟遊・・・と言うと、かなりのええかっこしいに聞こえるので、やめとこう。

さて、本日は「俺のフレンチ・タブル・タク」、ソロ弾き語りで出演。